カヴァキーニョはこんな音です。
☟ ギターと合奏パターン 親指と人差指を使った典型的なラスゲアード奏法 スチール弦
☟大勢で歌いながら沢山のカヴァキーニョ合奏パターン ピックを使っているようだ スチール弦
☟カヴァキーニョ一本の伴奏で歌うパターン スチール弦
☟都市型カヴァキーニョ(Cavaquinho urbano)タイプ 親指のみでメロディを弾くパターン ガット弦
☟都市型カヴァキーニョ 親指のみによる独奏 弦は不明だがスチールではなさそう
☟都市型カヴァキーニョによるクラシック音楽独奏 親指のみ
最初の三つの伝統的なタイプのカヴァキーニョと後半三つの都市型カヴァキーニョでは、楽器の形態も、弦の種類も、演奏する曲目も、指の奏法も、演奏するスタイルも、まったく違うことがわかると思います。
つまりその違いを一言でいえば都会風なわけです。田舎風、庶民風でない、洗練された都会の雰囲気で、きっちり音楽性を高めた演奏をしたいという要望にこたえて都市型カヴァキーニョが登場しているようです。十九世紀のギター黄金時代に合わせて、カヴァキーニョも一緒に進化しようとしたのでしょう。
マデイラ島からハワイに渡ったブラギーニャは、多くの場合、この都市型カヴァキーニョの形をしています。伝統的な形を引き継いだブラギーニャもマデイラ島にはあったかもしれませんが、マデイラ島の写真に写っているブラギーニャの多くはこの都市型カヴァキーニョの一種です。
ただマデイラ島では、この都会的な形態を維持したまま、都市生活者ばかりでなく、田舎風の農民楽器的な位置で使用されていた形跡もあり、そこにマデイラ島の特徴があるかもしれません。