一十舎のウクレレの特徴

アトリエ一十舎 のプロフィール

アトリエ 一十舎(ittosya) です。古楽器スタイルのウクレレとルネサンスギターを製作しています。製作スピードはおそく、月にウクレレ一本とルネサンスギター一本の合計二本がぎりぎりできるかどうかくらいですので、ときたま売るくらいしか数ができません。それでも、大いに楽しんで張り切って製作しております(^^)/。

一十舎で作るウクレレは、ボディ厚が通常の約3/4程度で、一般にウスレレと呼ばれたりします。あるとき、サイズを測り間違えて違う大きさに切ってしまったサイド材を見ながら、そのまま間違ったサイズで作ってみたらどんなだろうといういたずら心を起こして作ったのが、私がはじめて作ったウスレレでした。できあがったそれは、目からうろこの音でした。音の素朴さ、無駄をそぎ落としたような素直で立ち上がりのよい音、豊で長い余韻、弾きやすさ、持ち運びやすさ、いつも身近に寄り添ってくる親しい感覚など、私が求めていたものの萌芽がそこにありました。まだ粗削りでしたが、確かにこの方向だという確信が湧きました(上の写真の作品がその最初のウスレレです(^^))。

それまでは、ウクレレ全体を厚く大きくする方向でその音を探していましたが、ボディを薄くするという逆方向にあったのでした。間違って材を切るということでしか見つからない方向にあったのです。

その後、ウスレレと一般的な厚みのウクレレを織り交ぜて作る期間があったのですが、次第にウスレレに特化していくようになりました。ウスレレの方があらゆる面でよい、私には一層感じられました。音響はもちろん、人と楽器とのかかわりを一新するような良さがあります。そんなわけで、私にとっては、ウクレレといえばもうこの厚みです。

さて、話を更にさかのぼらせて、私とウクレレとの出会いをご紹介しましょう。それは、ハワイからホームステイのユダヤ系男子Kevan君を自宅に預かったことから始まりました。その子はハワイからわざわざおみやげにウクレレを持ってきてくれました。合板の安価なウクレレでしたが、はじめて弾くウクレレの音や弾き心地は、わたしの感覚にとてもフィットして、古い友人に出会ったようでした。(#^^#)

その後さらにいろんな出会いが重なりました。

家具製作者の先生に出会い、のこぎり、かんな、のみ、など手工木工の基礎技術を教わりました。道具の調整から、木工の手順、考え方、プロの木工のレベルなど、手作業の木工をイロハから教えてもらいました。

その後、また別の木工の先生に出会い、今度は、糸のこ盤、ボール盤、自動かんな、手押しかんな、丸のこ盤、ベルトサンダー、バンドソーなど、機械木工をひととおり体験する機会に恵まれました。

こうして木工技術をひととおり学んだタイミングで、ウクレレ製作者の先生に出会いました。その先生は、ウクレレを作り上げる手順を一から十まで全部教えるということを、私と出会った直後のタイミングで始め、私はその最初の生徒になることができました。ウクレレ作りを一から十まで全部公開して教えてもらう機会なんて、そうあるものではありませんから実にラッキーでした。木工技術をひととおり学んでいた私は、そのウクレレ作成技術を受けとる準備が丁度できていました。

その後、ウクレレデザインのヒントを教えてくれた人や、工房の場所を提供して開業のきっかけをくれた人、工房の改装計画を立てて改装してくれた建築士さんなど、どんどん出会いがつながって転がるように一十舎が動きだすことになりました。

不思議なのは、その出会いのだれかひとりが欠けても私はウクレレを作ってはいないのではないかということです。私自身がウクレレ作者になろうと計画したことがないので、ドミノが順につながって押し出してくれないと、この場所に自分では来ようがないように思えます。ひとつ準備ができると丁度のタイミングで出会いがあって次の扉が開いていき、結果として今私はウクレレを作っています。なんたがみんな向こうからころがりこんできたなあと思ったりもします。

そして昨年(2020年)、またもうひとつ大きな扉が開きました。一十舎の作るウクレレが古楽器スタイルウクレレであったことのご縁で、古楽器奏者の岩田耕作さんと出会うこととなり、16世紀ギターであるルネサンスギターを作りませんかと声をかけていただくことになったのです。岩田さんのお宅に伺って、ルネサンスギター、バロックギター、リュートなど様々な古楽器を比較研究させてもらい、様々なアドバイスをいただきました。中でもルネサンスギターは最も古い形式のひとつで、ウクレレの大元の祖先です。はじめて弾くと驚くべき目からうろこの音がします。弦が4コースに分かれて調弦がウクレレと全く同じなので、ウクレレが弾ける人はそのまま弾けるのがすごいところです。それを本式のプロ古楽器奏者の知識経験感性を浴びるようにいただきながら、私が作るということが起きました。今、ウクレレとルネサンスギターは一十舎の両輪となっています。

これから先もどんな扉が開かれていくのでしょう。とにかくやたらにラッキーに動いてきたので、この何やら不思議なラッキーを一十舎製品と一緒にお届けできたらうれしいです。

一十舎ウスレレの特徴は、下のページにまとめましたので、こちらもご一緒にお読みください。ありがとうございます。(*^^*)

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