昨日までちょっと旅行に出ておりました。
成田空港のホテルでつけたテレビで、「アノニマス」というデザインについての番組をしていました。
はじめて聞く言葉です。
番組の説明によれば、アノニマスとは、日常見かけるような、誰のデザインか不明だけれど、美しく優れたデザイン、というもののようでした。
たとば、スプーンの形、壺の機能的な湾曲、様々な道具の形など、日常の機能美などです。
ギターやウクレレのひょたん形などもそのひとつでしょう。
その番組に出ていたデザイナーの方は、最初は自分の個性を付け加えてデザインしようと工夫していたのが、あるときから、自分の個性を通さないデザイン性に惹かれるようになっていったという話をしていました。その方のデザインを見ると、自分を表現しようとしてない方が、不思議にかえってとても個性的なんですね。誰の真似でもない、誰も想像したことがないようなものが次々と生まれてくるようで、それが多くの人の感性にフィットする上にとても機能的なんですね。そして次々と世界的なヒットデザインになっているようでした。
おもしろいことが起きていますね。
アノニマスという考え方は、私がウクレレを作るときの感覚にもどこか近い感じがあるなあと思いました。一十舎のウスレレも、ウスレレをメインしてみたり、板厚を厚めにしてみたりと、ウクレレ界の常識と異なるところがあるのは、自分を表現するために奇をてらったことをしているわけではなくて、ただ機能性を求めていたら自然にそこに落ち着いてきたという感覚なんですが、その結果かえって独自性が出ているように思うんです。