最近惹かれている楽器がありまして、フィンランドの撥弦楽器カンテレです。
2000年くらいの歴史があると言われていて、弦数は5弦から40弦まで色々。5弦と10弦が最も伝統的な形ですが、近年多弦化が進み、小型でも11弦~20弦、20弦以上の大型など、弦数も大きさもデザインも多様化しています。弦1本につき1音程が基本なので音域を広げるには弦数を増やすしかありません。現在は多弦のものを弾く人が多いようですが、素朴な5弦バージョンも根強い人気があり、フィンランドの小学校で教えられているそうです。
弦は、元来は馬の毛やガット弦から始まったのが、後に真鍮弦が現れ、現在はスチール弦になっています。
カンテレの音はこんな音です。
5弦のカンテレ☟
多弦のカンテレ☟
屋外の湖畔や森の中で弾くのが似合う感じがいいですね。
上の5弦の方の動画で歌っているのは、フィンランドの民族叙事詩カレワラ(Kalevala)です。このメロディで、長いカレワラの話を朗唱するのがフィンランドふう。カレワラの話の中にも老賢者ワイナミョイネンが作った楽器としてカンテレが登場します。
日本も古事記などの元になった神話は歌として朗唱されたらしいという研究があるのですが、こんな感じだったのでしょうか。カンテレの形状と演奏姿が日本の古墳時代(3~7世紀)の埴輪の琴とよく似ていることにも興味を惹かれます。