ギターやバイオリンなどの弦楽器製作家のことをルシアーと言います。つづりは、Luthierです。ウクレレ製作家もルシアーです。
ルシアー製の楽器と言えば、職人の手によるもの…、工業的に作られたものとは異なる…、というイメージで使われることが多いと思います。
ルシアーという言葉の語源は、リュート製作者という意味です。リュートは、フランス語ではLuthですから、これにierがくっついて、それが次第に弦楽器製作者全般を意味するように変遷したわけです。
冒頭の絵の写真がリュートです。ルネサンス期以降、リュートが広く親しまれていた様子がわかりますね。
ルネサンス期以前は、アラビアにほとんど同じ形のウードという楽器があり、それがリュートのもとのようです。楽器的にも語源的にも、アラビアから来てるのですね。アラビア語のウードは、木を意味するものではないかと言われています。
そこまでさかのぼると、ルシアーという言葉も、リュートを作る人から、木で作る人というところまで戻ってしまうので、まさにそのとおりということになりますね。(^^)
楽器と言葉は、どんどんつながって、ひろがって、変化して、やがてまたつながってという全体像が似ていておもしろいです。これを可視化して短時間に動くような画像にしたら、まるで生き物のように見えるかもしれません。