マホガニーのことを書きたいと、なんとなく思っていました。(*^^*)
一十舎で作るウクレレの多くは、マホガニー製ですから。
日本名は、桃花心木。
きれいな名前です。
読み方はどう読むんでしょう…(#^^#)
マホガニーで作るウクレレの特徴は、音の深さ、豊かさ、柔らかさです。
ハワイアンコアでつくるウクレレが高級というイメージが広くあるようですが、高級かどうかは、流通量の多さ、木目の珍しさなど、楽器の材質とは別の要素で決まることも多いので、さほど気にすることはないと思います。その音の味わいが好きかどうか、値段が予算の範囲内かどうか、それがウクレレを選ぶときの一番の目安です。ハワイアンコアのウクレレは、乾燥したコロコロとした感じの音が出ると言われており、マホガニーとはちがう味わいです。私は昔からマホガニーの柔らかい音に惹かれるたちのようで、楽器屋で買いたくなるのはいつもマホガニーのウクレレでした。
一言にマホガニーと言っても、実はいろんなマホガニーがあります。
もともとは、マホガニーと言えばキューバンマホガニーのことでした。1700年代から1800年代にかけて、トップの写真にあるような高級家具材や豪邸の高級内装材などのために乱獲され、現在では森も林も残っていません。キューバンマホガニーのウクレレはほぼ入手困難です。アンティーク家具をばらしたときなどに、キューバンマホガニーの板が流通に乗ったりします。
代わってマホガニーの主役となったのがホンジュラスマホガニーでした。これは最近まで入手できたのですが、やはり資源が減っており、国際取引が規制されました。自由に入手するのが難しくなりました。
そして日本の流通の主流は今アフリカンマホガニーです。マホガニーとだけ書いてあれば、ほとんどはアフリカンマホガニーのようです。一十舎のウクレレもほぼアフリカンマホガニーです。
しかし、アフリカに広く分布しているアフリカンマホガニーは、材の性質が似ているものの、必ずしも一種類ではないようです。マホガニーという名前を使わず、それぞれの樹種や現地名を示して流通させればいいものを、高級材のマホガニーの名前をかぶせているようです。楽器向きのものも、楽器向きでないものも、いろいろある可能性がありますが、材質が劣るとも限りません。ホンジュラスマホガニーの粗悪なものより、アフリカンマホガニーのきめの細かいもの方がずっと楽器用として適切なこともあります。本来の樹種をわからなくしたために、偽物とか、代用品とかの言葉が生まれましたが、マホガニーと性質がよく似ている〇〇の木、素晴らしい品質です、という言い方をすれば混乱はなかったでしょう。樹種をはっきりさせないでマホガニーの名前をかぶせたのは、マホガニーと言えば高く売れるからでしょうか。買う方もマホガニーと言ってもらった方が高級感があって嬉しい向きもあったでしょう。元々のマホガニーが流通しなくなった現在、流通過程で誰もそれに文句がないので、いろんな樹種を含んだままアフリカンマホガニーはマホガニーと呼ばれているようです。
さらに現在は、マホガニーの名前でよばれるアジア・アセアンの木も続々と登場し、次の主流をうかがっている状況のようです。その中身も様々で、ホンジュラスマホガニーを植林した本来のマホガニーの樹種もあれば、マホガニーとしては新登場の新しい樹種まで、いろいろだそうです。
このような状況に、多くの人が整理に困って、こんなふうに言っています。キューバンマホガニーは本来のマホガニー、その次のホンジュラスマホガニーは真正なマホガニー、アフリカンマホガニーは代用マホガニー、その他のマホガニーは次を狙う準マホガニー…みたいな感じです。
今や、マホガニーという言葉は、人の立ち位置によって意味するものがちがっているのかもしれません。
日本名は桃花心木。
今読み方を調べました。
マホガニイ、マホガニー、マホガニ、たうくわしんぼく、アカジユ。
いろんなふりがながあるんですね。こちらも決まらないようです。
音の深さ、豊かさ、柔らかさにうっとりするウクレレができたらそれは桃花心木。
こんな感じでいきますかね。(^.^)
もともとみんなほんものの木です。プラスチックでできてるわけじゃないですからね、偽物の木なんてものはありません。
太陽と水と土で、それぞれの性質のとおりに育ってますから、名前をなんと呼ぼうと、ウクレレにすればその木の音が鳴り出します。(^.^)