木材の強度と含水率の変化は、繊維飽和点(含水率30%付近)から結合水が蒸発していく間、近似的に直線関係が成立すると言われており、 含水率1%の変化に対する強度の変化率は次の表のようになります。(ちょっと見にくいですが<(_ _)>)
これらの図表はこちらの論文「木材の水分と力学的現象」からの抜粋です。☟
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1963/21/222/21_222_244/_pdf
このように乾燥させるほど強度が直線的に増していく理由は、水分の除去にともなって木材を構成する鎖状分子間の距離が小さくなるとともに、水素結合などの二次的結合の数が増えることによります。
ちなみに水素結合によって木材が強くなることに関する最近の研究では、人工的な処理によりセルロースの管状構造を押しつぶし絡まり合うことによって、木材が鋼鉄よりも強くなる(自然の木材より強度11.5倍)という研究もあって、水素結合は木材強化の鍵のひとつのようです。
楽器の音響効果と木材強度は同じ話ではないですが、乾燥するほどに音が良くなるという直線的な関係は類似しており、水素結合というのは音楽的にもキーポイントのひとつになりそうです。