あれこれいろいろ

尋常小学唱歌 3 信仰強化編

尋常小学唱歌の中には、天皇を中心とする信仰的な歌があります。

たとえばこちら。

第二学年 天皇陛下

第三学年 皇后陛下

第六学年 天照大神

順に聞いていると、メロディラインが讃美歌のようでもあり、天皇陛下・皇后陛下・天照大神の関係性が、イエス・マリア・キリスト教の神の関係性と重なるような気もしてきます。

キリスト教の讃美歌は日曜礼拝や日曜学校で繰り返し歌われることで信仰の浸透に力を発揮しますが、文部省唱歌も学校のカリキュラムとして繰り返し歌われることで同様の力を発揮し、歌を覚えた子供たちが学校の外でも歌うことで共同体全体に信仰が浸透するという構図が意図されたようにも思われます。

尋常小学唱歌の整備が開始された明治43年に先立つ明治40年、唱歌指導が随意科目から必修科目に格上げされているのですが(小学校令改正)、これは明治政府が唱歌指導を国民の思想信仰の中心軸に据えようとしたということを意味するのかもしれません。