和材ウクレレシリーズ

日本の木シリーズ コンサートロングネックウクレレ №91 (カヤ・クリ・センダン・ヤマザクラなど) 

コンサートサイズロングネック(弦長テナー)のウクレレ。木の部分は全部日本の木で作った日本の木シリーズの一本です。

今回の日本の木は、カヤ(榧)、クリ(栗)、センダン(栴檀)、ヤマザクラ(山桜)など。カヤは従前から何度もウクレレや古楽器に使用して、澄んた音色を出す材だなあと思っていた材でした。クリもルネサンスギターの裏材として使用したときに、今まであまり聞いたことのない明るい芯のある音になって、魅了されたことがあります。今回、その両方を合わせてみて、期待を裏切らない音になりました。

では本器のデモ演奏をどうぞ。軽快な音色です。演奏はいつものように岩田耕作先生にお願いしました。


販売ページはこちらです。↓

BASEショップへ

本器の詳細説明はショップの販売ページに書いてありますが、木の説明部分だけこちらにも載せておきます。

・表板に使用したカヤ材は、一般に最高級碁盤に使用される銘木で、耐久性が高く、緻密で細やかな木質が特徴の材です。碁盤に石を置くときの響きが最高に良いと言われています。

・裏板と側板に使用したクリ材は、日本では極めて古い時代(縄文時代、弥生時代)から柱や武具などに使用されてきた材です。材質は硬めで、弾力・反張力に富み、耐湿性、耐朽性が大きく、変形も少ないという優れた材です。ギターやウクレレにクリを使用したものはあまり見かけませんが、裏と側に使用すると、雑味のない軽やかで爽やかな音色になることがあり、楽器材としてとても強い可能性を感じています。日本の楽器の古い例では、月琴の胴にクリを使用した例があります。

・ネックに使用したセンダン材も歴史的に古くから様々な用途で利用されてきた木で、軽量なのに耐久性が高く、音響特性がマホガニーに近いという研究があります(マホガニーとセンダンは異なる種だが、実はどちらも同じセンダン科に属する近縁種です)。日本の楽器の古い例では、木魚や筑前琵琶の胴と頭にセンダンが使用された例が見つかります。特に筑前琵琶ではかなりよく使われていたそうです。

・指板に使用したヤマザクラは、サクラの天然種のひとつで、本州、四国、九州に自生する品種です。サクラには、天然種のほかに、有名なソメイヨシノなど人為的に育成された園芸品種がたくさんあり、それら園芸品種はサトザクラという総称で天然種と区別されます。ヤマザクラは、材木としてよく利用され、良材として定評があります。中庸からやや重硬、均質、緻密、寸法安定性がよく、色に温かみがあり光沢が出て美しいことから、伝統的に、器具、玩具、楽器、彫刻、工芸品、浮世絵などの版木、定規、種々の木型などに使用されてきました。日本の楽器材としては、木鐘、大鼓、小鼓、三味線の胴や棹、琵琶の胴、月琴の胴など、使用例がたくさんあります。

 

 

RELATED POST