和材ウクレレシリーズ

「木材ノ工藝的利用」という本

明治45年(1912年)に農商務省山林局より編纂された「木材ノ工藝的利用」という本があるのですが、明治末までの木材利用の日本人の知恵がこの一冊に集積していて、すごいんです。現代はもう失われてしまった日本の木工と樹木利用の知識がぎっしり。明治45年7月から大正に改元になるタイミングの本ですから、古代~明治末までに日本人の中に営々と蓄積されてきた木材工藝の知識の集大成と言ってよいでしょう。この膨大な知識を調べてまとめ上げた明治人の仕事は大したもので、この本がなければ永遠に失われてしまった知識も多いはず。この本の知識は現代でも十分に応用可能です。あらゆる木材工藝のことが載っていますが、その中の楽器に使用される木材の解説だけでもかなりのページ数です。ただ漢字とカタカナの明治の文章は読むのにちょっと慣れが必要かも。

国会図書館のデジタルコレクションに入っていて、誰でも閲読や印刷ができるのがうれしいです。

国会図書館 木材の工藝的利用