ウクレレ豆話

ブラギーニャ or マシェテ(マチェテ、マチェティ) or カバキーニョ

上の写真は、ウクレレの祖先と言われるポルトガル領マデイラ島の小型ギター、ブラギーニャを持つ三人の少女。1857年撮影の写真で、この楽器を持つ人の最古の写真と言われています。

この小さな楽器の名前は、ブラギーニャ(braguinha)と言われたり、マシェテ(ここの発音はもしかしたらたマチェテ? マチェティ?)(machete)と言われたりしますが、正式にはマシェテ・デ・ブラガ(machete de braga)です。ブラギーニャの末尾ニャの部分は、「小さな○○子ちゃん」的なポルトガル語の言い方で、どじょっこふなっこの「っこ」みたいな語感でしょうか。

ポルトガル本土のミーニョ(minho)地方の町ブラガ(braga)で作られ、それがマデイラ島にやってきたという経緯から、マシェテ・デ・ブラガとかブラギーニャと呼ばれるようになったと言われています。

ちなみに下のポルトガル本土の地図の左上の方にミーニョ地方(minho)とブラガ(braga)の文字が確認できますね。そのちょっと下にポルトの地名がありますが、ここが大航海時代初期から帆船が出入りした大きな港なので、この港からブラギーニャがマデイラ島まで渡った可能性がありそうです。

もうひとつ別の呼び方としては、このブラギーニャをカバキーニョとかカバコのひとつと言って紹介することもあるようです。カバキーニョというと、ポルトガルからブラジルに渡った小型4弦ギターがあり、このブラジルの小型ギターを指すことが一般に多いのですが、ポルトガル本土にもカバコとかカバキーニョとか呼ばれる同種の楽器がある(ブラジルのものより少し小さいがデザインはほぼ似通っている)ので、大きな意味ではブラギーニャもこれに含まれると言ってもよいのかもしれません。どちらも調弦がDGBDであることも共通していますし。ただ、カバキーニョはポルトガルでもブラジルでも鉄弦でブラギーニャは元来ガット弦であること、ブラギーニャは外形的なデザインががかなり違っていることのふたつが、やはり気になります。

追加・ブラギーニャの名前の由来について、全く別の説を見つけたのでこちらに追加して書きました。→ブラギーニャの由来 別説

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