あれこれいろいろ

音楽生成AIが脳内に生成した懐かしい記憶

この動画は、AIが生成した80年代風のJpop集。詳細な説明がありませんが、作曲も編曲も歌声も歌詞も基本的にAIが自動生成したものと思われます。

コメント欄に多く見られるのが、「懐かしい!」という感想です。

「初めて聴くのに、懐かしさが押し寄せてくる…」、「懐かしいー!小さい頃、ドライブ中に助手席でよく聞いてました!」、「存在しない懐かしい記憶が脳から引き出されるよう。耳が気持ち良すぎる」、「(一曲目の)めぐる、懐かしい。小学生の頃友達とそのお父さんの車で釣りに連れてってもらった時に聞いた記憶があるなあ」などなど。

はじめて聞く曲なのに懐かしいって、どういうことでしょう。

存在しない懐かしい記憶が引き出されてくるという表現が、脳内で起きていることの本質を結構ついていそうです。音楽生成AIは、音楽を生成したばかりでなく、脳内で新しい記憶を生成したのかもしれません。小さいころにドライブ中によく聞いていたという記憶も、友達とそのお父さんとの釣りドライブで聞いたという記憶も、脳内にある楽しかった古い記憶と生成AIの新しい音楽が結合して、かなり具体的な記憶が新たに生成されたことを示しているように思います。

その生成された記憶が脳内で何度も繰り返されると、もうそれは過去の記憶の一部として定着してしまうこともありそうです。

それは事実と異なる記憶なので、記憶操作的に悪用されると良くない面もあるのかもしれませんが、幸せな記憶が生成されて幸せな気分に浸っているだけの人が多いようですから、今のところあまり問題はなさそうです。人間の記憶は大抵いろんな脚色がついてしまって、事実そのものの記憶は、元々ほとんど存在しないような気もします。