音楽の効果に関する色んな研究のことを最近書いておりますが、今日はBGM、つまりバックグラウンドミュージックの研究をいくつか。様々な研究者がいろんな切り口で研究をしています。
(音楽とワイン選びの研究)
ドイツ産ワインとフランス産ワインを分けて陳列し、フランスの音楽とドイツの音楽をかけて、売れ行き動向を調査。すると、フランスの音楽をかけた時は、フランス産ワインがドイツ産ワインより五倍の勢いで売れた。ドイツの音楽をかけた時は、ドイツ産ワインがフランス産ワインより二倍の勢いで売れた。この実験で、音楽がワイン選びに影響を与えたことに気が付いたのは、購入者のうち、7人にひとりの確率だった。
(音楽とワインの支払金額の研究)
ワインショップでポップスとクラシック音楽をかけて支払金額の変化を調査したところ、ポップス音楽は客の購買パターンに影響を与えなかったが、クラシック音楽が流れているときは客はより高いワインを選び、購入価格は三倍以上に跳ね上がった。
(音楽とワインの味の研究)
同じ種類のワインを無料で提供し、会場に四種の音楽(力強くヘビーな曲、繊細で上品な曲、元気でフレッシュな曲、メロウでソな甘い曲)をかけておき、飲んだ後にワインの味を評価してもらった(ヘビー、上品、フレッシュ、メロウの中かから選ぶ)。その結果、客は味と音楽の曲調を結びつける傾向があることがわかった。なお、客はBGMにほとんど気を留めていなかった。
(音楽とワインの好みの研究)
ロンドンのワイン試飲会で、1番から5番の番号を付けた同じワインを順番に飲んでもらい、その間BGMはドビュッシーの甘美な月の光から、ワーグナーの激しいワルキューレ騎行へゆっくりと変化させた。その結果、客は1番のワインを甘美でまろやかな口当たりと評価し、5番のワインを力強くヘビーな味と評価、好きなワインとして1番を選んだ人はゼロで、多くの人が5番を選んだ。
以上、「ドビュッシーはワインを美味にするか 音楽の心理学 ジョン・パウエル著」から。
以上を通して私が見出した法則は、「BGMの研究をする人はワインを使って実験したがるの法則」でした。もしかして、研究者のうしろで「ワインの歌」のBGMが流れていて、知らず知らずのうちにワインで研究したくなったのかな?