ウクレレ作りでは、切る、削る、彫る、曲げるなどなどの様々な工程がありますが、貼り付けるという工程もとても重要です。薄い板の接合なので、基本的に釘やビスは使えませんし、ほぞとほぞ穴を彫るのにも適しません。
貼り付けるときに登場するのが接着剤ですが、楽器の接着剤の定番と言えば、昔は膠、今はタイトボンドです。(もちろん今も膠は使われます)
タイトボンドは前にも一回書きましたね。マヨネーズにそっくりなので食べないように注意しまょうというあれですね。(‘Д’)
今回は、タイトポンドをもう少し掘り下げて、その優れものぶりをお話ししようと思います。^^
1 タイトボンドは乾燥が遅すぎず早過ぎず、使いやすいんです。あわてずゆっくりと、でも速やかに作業することができます。30分もすると、手の力では容易にはがすことが難しくなります。でも2時間くらいはしっかりとクランプして押さえつけておくのが安全です。接着部位にもよりますが、5,6時間~10時間もクランプしておけばたいていは大丈夫でしょう。24時間も経てば完全乾燥でびくともしなくなります。
2 接着力が強いんです。硬化するとカチカチになって木そのものと同じくらいの硬度になります。木の繊維にしみこんで硬化します。ということはつまり、接着した二つの木が、すっかり一つの木になるようなもので、じつに頼もしい接着力です。なお、塗った瞬間に木の繊維にしみこみはじめるので、接着する木の両方に塗ることが大切です。
3 硬化したタイトボンドは削ることができるんです。刃物で木を削るのと同じような感覚で、硬化したタイトボンドはさくさくと削ることができて作業性がいいんです。膠は硬すぎて刃物を傷めることがあるそうです。
4 隙間を埋めることができます。木工作業では木と木の接合部に小さな隙間ができてしまうことがままありますが、タイトボンドに木の粉を混ぜ込んで隙間にすりこむことで、あまり目立たずに隙間を埋めてしまうことができます。この埋め込んで硬化したタイトボンドにも接着力を期待できるので、単なる隙間埋めのパテとは異なります。
5 硬化する前は水で簡単にふき取ることができます。接着してクランプすると、ボンドが必ずはみ出してきます。はみ出すくらいにしっかりとタイトボンドを塗った方が接着性のためにはいいんです。はみ出してきても水をしみこませた布でふくだけできれいに取れるので安心です。少し硬化してきても、水をつけた歯ブラシでゴシゴシすればちゃんと取れます。接着痕跡が残るか残らないかは、楽器の見栄えを大きく左右するので、大切な性質です。
6 100度くらいに熱してやるとボンドが溶けてくるので、はがして補修することができるんです。
7 腐らないんです。実は上の方に書いたことの多くは、膠でも同様の性質があるんですが、膠は動物性のゼラチン質ですから腐って悪臭を発するんです。でもタイトボンドはいつまで経っても臭くなりません。一回一回作らないといけないか、ずっと保存できるかは、ものすごく作業性に影響します。
8 安定した品質がありがたいんです。膠は自分で温度や粘度を管理しないといけないですが、タイトボンドはちょうどよく調合されているので、安心して作業ができます。安心感って、大事です。(^^)/
まあ、こんな感じです。
楽器製作の接着剤には、「非常に高い接着力」、「水との親和性」、「高い浸透性」、「ゆっくりとした硬化時間」、「再融解」などの性質が必要と言われているんですが、それをパーフェクトに満たしています。ありがたいことです。楽器作りに限らず、木工全般にとても使いやすい接着剤です。
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