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木工談義 工賃のはなし… 

昨日、家具職人や木工教師の友人たちと、

「工賃、つまり人の働きの代金を安易に下げてしまっていけない…」

ということを話していました。

木工製品の値段をつけるとき、実際にかかった材料費は必ず計上します。材料費を計上しなければ赤字になってしまうからです。

ところが、工賃など人の働きの値段になると計上が甘くなりがちです。売る方は急に自信がなくって遠慮がちに値段をつけ、買う方も案外平気で値切り交渉をして値切って当然みたいに考えてしまいます。

しかし、工賃というのは、人が費やした時間、手間、努力、情熱、知識経験などがぎっしり詰まって出来上がっているもので、それはある種、人の命の総合みたいなものです。ライフという言い方もできます。命=ライフを値切ってしまってはいけないのです。それを習慣化してしまうと、長くいい仕事をするのにきっと支障が生まれるでしょう。

そうわかっていながら、ややもすると案外簡単に自分の働きの部分を譲ってサービスしてしまいがちなのが現実なのですが、だからこそそこをぐっとこらえ、意識的にきちんと正当な値段を請求し、自分もきちんと払うという関係を常に維持していくことが大切だということを昨日は友人たちと話しておりました。