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木工談義21 15の春から大工の人の動きのみごとさ

工房建物を半分ずつ分けて使っているお隣さんが、一級建築士兼大工のベテランなんですが、その人が先日こんな話をしておりました。

「15から大工で現在60代の人と一緒に仕事をしているんだけど、その人の動きの全てが本当にプロの職人という感じで、見ているだけで気持ちいいですよ。姿勢や手順が美しいし、小さなものひとつの置き方まで何手も先まで読んでいて、一緒にいるだけで勉強になります」

こう言っている本人だって、一級建築士として設計もすれば現場仕事もばりばりできる貴重な人で、100数十年前の古民家の再生プロジェクトの指示もすれば、神社仏閣の建築再生など宮大工の仕事もできる、なかなかすごい人なんですが、こういうすごい人だからこそ、ほかのすごい人のすごさの深さがよく見えるのだと思います。また、人のすごさにいつも気が付くような人だからこそ、自分も一緒になってすごい人の世界に入っているのでしょう。

私は、「そういう上手な人と一緒にいると自分も上手になれますよね。すごい人と一緒にいて上手にならない人もいるけど、そういう人は見る気がないんだと思いますよ。見て感動するような人は、うまくなるのが早いですよね」

というようなことを答えました。

お隣さんは、「自分はたくさんの生粋の職人と一緒に仕事をしながら見て聞いて覚えることができたから、幸運でした」とおっしゃっていました。