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友人の木工家との木工談義3 木工家の持ち味

上の写真は、庭からとってきたぐみの実だそうです。
水道を借りに行ったら、女性の家具職人Fさんがいて、お皿に盛って出してくれました。食べてみると、渋くて甘い。ちょっとつまむにはおいしいです。たくさん食べるには渋みが気になるので、三個くらいがちょうどいい感じです。

このぐみの皿を載せてあるテープルは、Fさんが作ったテーブルです。とても大きくて十人くらいはまわりに軽く座れます。重くて持ち上げるには数人の力が必要です。Fさんが作るものは、重厚で渋くて素朴な感じのものが多く、それがいい味を出しているので、こんな会話をしました。

私「この重厚で素朴な感じがFさんの持ち味なのかな~」
F「でも、お客さんの希望を聞いて作ってるだけで、薄い板を使うつもりが予定外に厚い板になっちゃったりもしてるし、それだけなんですよ…」
私「ふーん、案外そんなもんかもしれないですよ。周りの意見とか予定外とかも含めて、持ち味って出てきますよね。Fさんの作ったこのテーブルもこっちの座卓も、すごくいい味出てますよ」
F「そうですか? うれしいです(^^)」

とまあ、こんな会話でした。

木工家はみんな自分なりの持ち味を探しながら作品を作っているんですが、自分の持ち味というのは、偶然、予想外、アクシデント、周りの意見、やむを得ず、それしかなかった等々も含めて、自分以外の要因が決めてくることが多いなあと最近思うんです。それらは、作ってる当人には思うように作りたいのを邪魔するもののように見えるわけですが、案外邪魔するものではなく、それらの波に乗っていくと、すんなりと味わいが出てくるような気もしています。(*^^*)