海を渡った小型ギターたち

ハラナ・ハローチャ(jarana jarocha)で奏でるソン・ハローチョ(Son jarocho)

昨日も少し書きましたが、メキシコのハラナ・ハロチャというギター型の楽器は、ベラクルス州のソン・ハローチョ(Son jarocho)という音楽の中で使用されます。ソン・ハローチョのアンサンブルの中では、ハラナ・ハロチャはラスゲアードでジャカジャカ掻き鳴らされ、シンコペーションのあるハーモニーを担当します。基本的に5コースであることから、バロックギターの直系であると言われています。

様々な大きさがあり、大きい方から順に、ハラナ・テルセラ(jarana tercera 、先端からお尻まで80-100cm)、ハラナ・セグンダ(segunda、70-80cm)、ハラナ・プリメラ(primera、55-70cm)、ハラナ・モスキート(mosquito 、50cmより小さい)、ハラナ・チャキステ(chaquiste、30-40cm程度)に分類されます。弦は5コースで、中央の3コースは複弦、両端が単弦です。調弦は、GCEAGが最も一般的で、ほかにも CFADC、 DGBEDなどいくつかのパターンがあります。

ハラナ・セグンダ↓

一番小さいハラナ・チャキステ↓

 

ではここでメキシコのソン・ハローチョという音楽ジャンルを紹介します。私はこれが好きなのです。ベラクルスの伝統的な音楽で、レキント・ハロチョ(requinto jarocho), jarana jarocha(ハラナ・ハロチョ), arpa jarocha(ハープ・ハロチョ)等のアンサンブルと歌とステップをリズミカルに踏む踊りなどで構成され、これぞメキシコという感じがします。スペインとアメリカ先住民とアフリカの要素が混在する植民地時代にさかのぼる音楽です。動画をいくつかどうぞ。

 

 

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