ウクレレの魅力

暴風雨のポルトガル船内でブラギーニャは弾かれたにちがいない 一十舎がイメージするウクレレとは…

昨日の「台風の中でウクレレを弾く」の記事の続きのような話です。

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この記事を書き終わってからふと思ったのは、こんな暴風雨のとどろきの中でウクレレを弾くというのは、昔から何度も繰り返された光景かもなあということでした。

ポルトガル船に乗ってハワイに到来した四弦楽器ブラギーニャがウクレレになったことはこれまでに何度も書きました。そして同じようにポルトガル船のブラギーニャが、インドネシアでクロンチョンギターになり、南米でカバキーニョになったことも書きました。当時のポルトガル船の長い航海には、ブラギーニャがあるのがあたりまえだったのではないかと思うのです。

当時の小さな木造船で長い時間をかけて世界を旅すれば、荒れる天候に翻弄される不安な時がたくさんあったことでしょう。天候が収まるのを待つ以外にどうしようもない船内で、ブラギーニャを手に取ってポロンと鳴らす瞬間は幾たびもあったと思うのです。

昨日台風の中でウクレレを弾いてみたとき、ウクレレの音の穏やかさと静けさが、台風の轟音に影響されることなくあるなあと思ったのですが、荒れる不安な船内でも、きっと同じことが起きていたのではないでしょうか。

ブラギーニャは、長い船旅のなんの変化もないような無聊をなぐさめるばかりでなく、暴風雨の中ではそこに穏やかさと静けさをもたらしたと思うのです。そしてまた、船で着いた先では人々の歌や踊りの伴奏楽器となったこともあったでしょう。このようにウクレレには人々の生活の様々な場面に寄り添って平和をもたらす力があったのではないかと思うのです。

私が作りたいウクレレのイメージは、まさにそんな楽器としてのウクレレです。人の生活に寄り添う楽器です。

演奏会、発表会、コンサートなど、生活する人というよりは大きな聴衆を念頭に置いて発展してきた楽器は、音の遠達性と大音量が出ることを必然的に重視するようになりますが、私はそれを最優先事項とは思っていないようです。生活に寄り添う楽器で大切なことは、いつも変わらぬ穏やかさ、平和、静けさ、やさしさが鳴る楽器ということです。

自分が作ったウクレレの音に耳を傾けながらチェックしているのは、この一本からはそんな音が出ているだろうかということです。私はそんな気分で日々仕事をしているようです。

 

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