昨日書いた話は、
「12フレットの位置は弦の全体の長さの半分のところ。だから、12フレットを押さえると、開放弦の時よりちょうど1オクターブ上の音が出ます」、ということでした。
同じことをウクレレの作り手向けに話すと、こうなります。
「0フレット(ナット)から12フレットまでの弦の長さの倍のところにサドルのてっぺんが来るようにブリッジを貼り付けてください。すると、12フレットで1オクターブ上の音が出るウクレレができあがります」
ところがですね、ウクレレ製作時にこの通りにやると、ちょっとした落とし穴があるんです…
実は、弦を指でフレットに押し下げている時は、弦が下に引っ張られて、開放弦のときよりテンションが上がってしまうんですね。すると音がシャープしてしまうので、その分を補正してやらないといけないわけです。サドルの位置をちょっとだけ下げて弦を長くしてやると、その分音が下がりますから、補正することができます。
で、具体的には、
12フレットまでの長さ×2+2~3ミリ
のところにサドルのてっぺんがくるようにブリッジを貼り付けるということをするんです。
この2~3ミリの微調整がうまくできていないと、
このウクレレはオクターブピッチがずれているとか、オクターブ調整がいまいち、なんて言われてしまうことになるんですね。
ところで微調整量は2~3ミリと書きましたが、実際に何ミリにするかは、製作者ごとに異なります。使っているフレットの太さとか、ナットやサドルの高さの設定とかによっても変わってきますし、弦を強く押さえる人と弱く押さえる人とでは弦の伸び具合も違ってきますのでね、ズバリ何ミリ足せばいいとは決められないのですね。ウクレレ製作者ごとに、自分の作り方に応じて適切な微調整量は違うのだと思います。
私の場合は、ソプラノウクレレでは、3ミリは必要だと感じています。
でも、知人のウクレレ作者は、ソプラノは2ミリ、コンサートは2.5ミリ、テナーは3ミリがいいと言っています。
使っているフレットとか、ナットとかも違うですから、違っていてもいいわけです。
(^^♪