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blik kitaa ブリキのギター とカンカラ三線

上の写真は、南アフリカ、レソト、ボツワナ、ナミビア、ザンビア、マラウイ、ズールーランドなどで使用されているBlik kitaa(ブリキのギター)というオイル缶ギターです。ローカルな呼び方としては、ramkieラムキー(南アフリカ)、 katara カタラ(レソトとボツワナ)、 igogogoイゴゴゴ(ズールーランド)などとも呼ばれます。

ネックは多くの場合オイル缶のエンド部まで突き刺さっているとのことで、そうすると沖縄のカンカラ三線と同じ作りです。

弦数は、通常3~4本、まれに6本で、弦の素材は、自転車のブレーキワイヤーやナイロン釣り糸など。フレットがないのが普通ですが、フレット付きもあります。チューニングは多くの場合、C F A C ‘のようなオープンチューニングだそう。

南アフリカのramkie ラムキーは、音楽学者パーシヴァル・R・カービーの著書によれば、「小さなヴァイオリン」を意味するポルトガル語のrabequinhaラヴェキーニャに由来し、この楽器は「ポルトガルの影響の痕跡を示す」「ポルトガル起源、あるいはその混成楽器である」と述べられています。この楽器に関する最古の記録は、1733年から1741年までケープに住んでいた18世紀のドイツ人作家O.F.メンツェルによるものだそうで、メンツェルはラムキーの起源をインドのマラバール海岸から連れてこられた奴隷が持ち込んだ楽器としています。またウイキペディアには、ラムキーはおそらくマレー人の奴隷によってインドネシアから南アフリカに持ち込まれた小さなポルトガルのギターにまでさかのぼるという説明も見られます。この楽器はすぐに、ヨーロッパ人入植者の使用人であったコイサンに熱狂的に採用され、当初は、メンツェルの記述にあるように、木の柄を取り付けた瓢箪を共鳴器として作られ、弓ではなく撥で弾かれたそうです。初期の旅行者によるさまざまな証言によれば、共鳴器の素材には早い時期からバリエーションがあったようで、最近は5リットルの石油缶で作られることが一般化したためブリキのギターという呼ばれているとのことです。

プリムスストーブのタンクを加工したもの ↓

ローデシア・ザンビアのもの↓

弾き方はコードによるリズムだそうです。なかなかよい音です。

それにしても、次の写真のように、弦が三本で、フレットがなくて、缶にネックが突き刺さっているだけという最もシンプルなタイプのものは、沖縄のカンカラ三線と構造的にはほぼ同じ楽器になってしまっているのがおもしろいです。全然ちがう進化経路をたどって、全くちがう場所で、全くちがう文化から、類似の楽器が生まれることがあるという証拠写真です。(^^

 

 

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