作レレ

タイトボンド考

写真の指先に持っている小さなものは、タイトボンドのかたまりです。ちょっと見には宝石にも見えますかね。
管の中に詰まってすっかり固まったものを取り出したものです。
タイトボンドはウクレレの主要部の接着に使用するボンドです。

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タイトボンドは、固まると材木と同等の強度を持って、木と木をつなげることができます。
しかも、固まったあとには、ナイフで削って整形することもできるし、やすりでけずってなめらかにすることもできます。
また隙間を埋めて、木と木の間を補充してやることもできます。
つまり、材木同等の性質を持つんですね。

そして、この写真のかたまりを手に持ってみたとき、もうひとつの性質がはっきりとわかりました。
結構柔軟なんです。硬いのに同時に柔軟で、爪で押すと少し凹んで、離すと戻るし、指で曲げるように押しつぶすと曲がって、離すと戻ります。カリカリと削れるような硬さを持ちながら、同時にゴム的な性質もあるんですね。

ウクレレの表板と側板を接着すると、木の収縮率や収縮方向が違いますから、接着した後も木はとてもよく動きます。この動きを吸収できなければ、木が割れるか、接着部位がはがれるということになります。タイトボンドのこの柔軟性は、この木の動きに対応するために、とても大切な性質だと思います。固まったあとにかちんかちんになってしまう接着剤では、おそらくウクレレがいずれ割れることになるだろうと思います。

ウクレレやギターでは、ブックマッチと言って、表板を二枚の板て構成し、真ん中てでつないで作ることか多いのですが、ああすると表板の強度が落ちるように見えますが、このボンドの柔軟性、ゆがみを吸収する力を考えると、真ん中で繋ぐこととによってかえって強度が増すのかもしれません。

昔は、動物の腱などをドロドロにしたニカワがこの強度と柔軟性を併せ持つ接着剤として使用されてきたわけですが、タイトボンドはこの性質を持つ現代の接着剤というわけです。楽器の製作には強い接着性があれば何でもよいというわけではないのですね。

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