作レレ

超音波カッターでロゼッタを作る

サウンドホールの飾りをロゼッタと言いますが、もともとはこの写真のような文様からロゼッタの歴史は始まっています。サウンドホールの穴を幾何学模様が埋め尽くしています。たぶん、イスラム世界がスペイン付近を占領していたころの影響だと思います。

古楽器を作るとなると、木にこういう文様を彫る作業を避けて通れないのですが、普通のカッターではなかなか手間のかかる仕事です。そこで、超音波カッターという道具を購入しました。写真に写っている機械がそれです。

なんと、刃の部分が、一秒間に40000振動することににより、刃先が押し当てなくてもすーっと入っていくのです。プラモデルを作るときにプラスチックを切るのに使ったりすることが多いようですが、木でも極薄にすれば刃はすっと入っていきます。プラスチックがバターのように切れるというのが宣伝文句なのですが、さすがに木はバターのようにはいきません。

この超音波カッターのおかげでようやく極薄板にこんな細かい模様も彫れるようになりました。普通のカッターでは木が折れたり割れたりするのがこわくて、なかなかうまくできませんでした。

それにしても昔の人はこんな作業を単純な道具でやっていたのですから驚きです。ひとつのギターを作り上げのにどんなに時間をかけたことでしょう。きっと、現代人とは時間流れる感覚も違っていたのでしょう。そうでないとこんな細工を当然のようにする気にならないんじゃないかと思います。