お客様から、ソプラノロングネックのお問い合わせがあったので、ロングネック製作を検討しています。
ロングネックにはいろいろな定義があるようですが、ソプラノサイズのボディにコンサートサイズのネックを付けることを考えています。
ところで、これまで一十舎ではネックとボディの接続位置は、すべて12フレットの位置でジョイントしておりました。12フレットが弦の中間で、いろいろな点で12フレットジョイントが全体のバランスがいいと考えています。12フレットジョイントが伝統的な定番のジョイントであったことには、それなりの理由があると思っています。
しかし、ソプラノボディをロングネックにして12フレットジョイントのままにすると、ブリッジの位置がボディの下部に大きく移動してとてもバランスが悪くなってしまうのです。弦振動をボディに伝えるブリッジが、ボディ下端の方に移動するのは、音響的にも良くないでしょう。
そこで、ロングネックでは14フレットジョイントにすることが一般のようです。14フレットジョイントにすると、ブリッジの位置が大きく上の方にずれるので、バランスを取り戻すことができるのです。現代のギターもウクレレも14フレットジョイントがほぼ主流になっていますが、それはボディの大型化とネックの大型化という大きな流れの中で、楽器全体バランスが変化してきて、12フレットジョイントではバランスが保てなくなっているからだと思います。
一十舎は、この楽器の大型化の流れにはあまり乗っていなくて、むしろ腕の中に納まるシンプルな楽器に戻りたいと思っているので、実はロングネックを作ることは基本的には一十舎の発想とは異なるところがあるんです。基本、あんまり楽器を大きくしたくないんです。
それでも今回ロングネックを作ろうと思うのは、ロングネック用の大きめの指板の演奏のしやすさに大きな魅力があるとも思うからです。手の大きな人にとっては、ゆったりと押さえられるロングネックはありがたい存在でしょう。そんなわけで、楽器がちょっと大きくなってしまいますが、一回ロングネックを作ってみようと思います。その後も作り続けるかどうかはわかりませんが。(^^)/