一十舎のウクレレは、ゼロフレットを入れています。
冒頭の写真では、ナットの直下2ミリくらいのところに、フレットが一本入っていますが、これです。普通は、ここにフレットは入ってなくて、ナットの次に1フレットがくるんですね。
ゼロフレットを入れる理由は、ナット削りに気を使わなくて済むこと、安定した弦高がいつも実現できること、解放弦の音の切れ味もいいこと、などです。
ナットの溝は、弦が通る位置を決めるガイドの役割しかなくなります。
ゼロフレットはとても合理的なので、もっと一般化してもいいと思うのですが、どうして一般化しないんですかね。工程が変わってくるからでしょうか。
指板を所定の大きさに切ってから、フレットの位置をわりふって溝を掘り、フレットを打ち込んでいくという順番でやると、ゼロフレットの向こうの2ミリくらいの幅のところが打ち込む衝撃で割れて欠けてしまうんですね。だから工程としては、ゼロフレットを打ち込んでから、指板を所定の大きさに切るという順番になります。まあ大した違いではないんですが、使っている機械がこの工程変更に対応しにくいということももしかしたらあるかもしれませんね。