作レレ

箱鳴りとは 空気音と個体音

ウクレレやギターの評価として、

「箱鳴りがすばらしい」

などと表現されることがありますね。

箱鳴りとは、箱型楽器特有のある種の鳴り方を表現しているわけですが、箱鳴りの定義を明確に聞いたことがありません。人によって微妙に違うものをイメージしながら使われているような気もします。

一体箱鳴りとは何なのでしょう。

音には、空気中を伝わってくる空気音と、個体中を伝わってくる個体音の二種類があるそうです。人の話し声や自動車の音や隣の家のピアノの音などは空気音で、上の階の人が床にものを落とした音やドアの開閉音が階下に伝わってきたりするのは個体音です。

マンションなどに住んでいると、上階の人の立てる個体音が意外に大きく聞こえて気に障ったりしますね。これは耳に伝わる音波というより、ある種の体感として直に伝わってくるからだと思います。

ウクレレの箱鳴りというのは、この個体音の方を表現している可能性があるように思います。ウクレレのボディやネックの振動自体が直接体感として奏者に入ってくる感覚に重点がある言葉のような気がします。

ウクレレの鳴りの良さを考えるとき、聴衆に音がよく届く空気音という面と、ウクレレの奏者に体感として音が良く届く個体音の二面から考えるのは有効な視点かもしれません。

空気音と個体音は相互に影響しあっているはずですから、両者の間の適切なマッチングという視点も大切でしょう。

クリアな空気音、心地いい個体音、両者の適切なマッチング、この三つの視点を持ちながら弾いても聞いても気持ちよいウクレレを作っていきたいと思います。(^^♪

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