当舎のウクレレでは、フィンガーボード(指板)の素材にはエボニー(黒檀)やローズウッドを使用することが多いのですが、白い色にしたいときにはメープルを使うこともあります。このたび紫檀を入手したので、紫檀を使ってフィンガーボードを作ってみることにしました。冒頭の写真がそれです。かなり赤い木ですね。鉋で削っているところです。
鉋をかけてみると、木の性質を体で感じます。
とても硬くて粘りがあります。そう簡単には削れません。抵抗が大きくて、刃が引っ張られます。黒檀も硬くて削りにくいですが、紫檀はもっと削りにくいような気がします。加工が難しいですが、そこが逆にフィンガーボード向きな感じです。
フィンガーボードの素材には、硬くて変形しにくい木がいいんです。フレットの位置や高さがすぐに変わっては困るので曲がったりねじれたりしにくい木がいいです。弦の張力でネックが引っ張られるので、その張力を支える強さも欲しいです。弦を押さえるときに頻繁にこすれるので凹みや削りに強い木でないと困ります。杉などの針葉樹は加工しやすいんですが、柔らかくてフィンガーボードには全く向きません。知り合いの木工家が、杉の柔らかさを表現して、紙のように柔らかい木だと言っていました。紫檀のこの加工のしにくさは、フィンガーボード向きだと思います。
赤が強い木ですが、紫檀の名前のとおり、角度によっては確かに紫にも見えます。赤っぽい紫です。色と硬さが超硬の鰹節ようでもあります。
鰹節も案外フィンガーボードに向いているでしょうか。鰹節でフィンガーボードを作ったら面白いですね。出来立てのウクレレを猫が咥えて逃げて行きますね。(#^^#)