作レレ

リブ 4コースギターのバック

写真は現在作成中(塗装中)の4コースギター(ルネサンスギター)のバックです。

2枚の白いメープル板と3枚の茶色のチェリーの板を交互に並べて接ぎ合わせ計5枚のリブで裏板を作っています(こういうの細い板の並びをリブと言うのです)。このように多数のリブで板面を作ることがルネサンス期やバロック期のギターでは多く行われており、現代の楽器と異なる特徴です。

古楽器の時代、たくさんのリブで板面を作るのが普通であった理由は、たぶん、質のよい広い板を入手することが現代より困難だったため、入手できる小さな板を張り合わせて使うのが現実的だったのだろうと推測しています。また、当時はリュートが全盛期だったのですが、細い板を張り合わせてリュートの半球状のボディを作る技術が一般化していたため、たくさんのリブで楽器を作る技術がすでに成熟していたという事情も背景にありました。さらに、たくさんのリブを張り合わせることが、華麗で豪華に見え、デザイン的な魅力があったということもあるでしょう。

そこで今回ルネサンスギターを作るにあたり私も5枚のリブで裏板を作ってみたのですが、やってみると、確かに案外加工しやすいと思いました。貼り合わせる手間はかかりますが、細長い板を切り出す方が幅のある板を切り出すよりずっと簡単で正確に切り出すことができますし、サイズの小さな木でも有効活用できるのでとても合理的でした。

昔の人がやっていたことは、実際にやってみると、そこではじめてなるほどと頷かれることがあり、とても勉強になります。