作レレ

古楽器スタイル 透かし彫りのロゼッタを作ってみた

上の写真のような古楽器スタイルウクレレを作ってみました。オールマホガニーです。一十舎のいつもの古楽器スタイルなのですが、いつもとちがうのは、サウンドホールが単なる穴でなく、透かし彫りが入っているということです。

この透かし彫りロゼッタは、取り外しができます。こんなふうです。

とても薄い板に薄い和紙を裏打ちしたもので、厚みは0.5mmもありません。裏に細い棒を十文字に交差させて張ることで補強してあり、その細棒の端っこサウンドホールに軽く押し込むことで固定させます。しっかりボディに貼り付けてしまった方が強度が出るのですが、透かし彫りがあるときとないときの音を比較してみたいと思って、取りはずし可能方式にしました。

どうしてこういうものを作ったかというと、ウクレレのご先祖様をずっとさかのぼっていくと、サウンドホールが単なる穴であるのが普通になったのは18世紀から19世紀ころで、それ以前の数百年は、細かなすかし彫りの文様が入っている時代の方がずっと長かったからです。楽器本体に彫りこむ時代があり、羊皮紙と薄板で作って裏から貼り付ける時代ありと、手法は様々ですが、いずれにしてもとても手間がかかるのに、そんなすかし彫り文様を入れていた時代が何百年も続いていたということは、そこに音響的な理由があったのではないかと思って検証したくて作ってみました。

作ってみた結果、音響的な変化は、やはりあるような気がします。昨日できたばかりなので、断言はできませんが、音量的な低下はほとんど感じられず、むしろ変化するのは響きの質のように思います。第一印象は、魅力ある音だ、と思いました。古楽器的な響きを感じました。

今日はまだそのくらいしか書けませんが、音が落ち着くのをしばらく待ってみたいと思います。