あれこれいろいろ

防音室事情 Drという基準

昨日夜、アトリエに導入しようとしている防音室の図面と見積もりがメールで届きました。

Dr35とDr40の大きく二種類に分けて見積もりを出してもらいました。

そこでDrとは何ぞや? ということなんですが、これは防音室の防音性能を評価するときの基準単位です。

こう聞くと皆さんはきっとこのように思われたことでしょう。

「ドクターのことを略語でDr.と書くから、Dr35の防音室は35人のお医者さんが叫んでも外に音が漏れない防音室で、Dr40は40人のお医者さんが叫んでも外に音が漏れない防音室のことだ!」

いいえちがいます。アリババと40人の盗賊じゃあるましい、お医者さんは防音室の中でそんなに騒いだりはしません。

Dr35とは防音室の内外で音量が35デシベル分減音する性能があるという意味なのです。ですから、音を出すのはお医者さんである必要はなく、魚屋のおじさんでもいいわけで、魚屋のおじさんがDr35の性能の防音室の中から80デシベルの大声で「奥さん、サンマが安いよ」と叫ぶと、防音室の外では、80-35=45で、45デシベルの声しか聞こえないということになるわけです。防音室の外側には、家の壁がありますから、そこで10デシベルさらに減音すると、家の壁の向こうには35デシベルになり、道路を歩く奥さんに届くまでにさらに減音するでしょうから、奥さんには魚やさんのおじさんの声はほとんど聞こえないということになるわけです。

わかりやすい説明ですね。

魚屋さんは防音室の外に出て商売すべきである、ということが理論的によくわかります(^^♪。

とまあこんなですから、防音室を導入したからと言って、防音室の外には全く音が漏れないかというとそんなことはありません。Dr40の性能の防音室の中で、100デシベルの音が出る木工機械を動かした場合、防音室のすぐ外には60デシベルの音で聞こえます。これは、普通の人の会話くらいのレベルの音ですので、隣近所にはほとんど聞こえないくらいに減音できることになるわけです。

木工機械の音はどのくらいかというと、おそらく80~120デシベルくらいでしょう。120デシベルの音が出ている状態でDr40の防音室だと80デシベルの音が外に漏れることになります。これだとかなりの大声で家の中でしゃべっているくらい、あるいは小さい叫び声くらいの音ですので、隣近所にも聞こえる可能性があります。

音というのは、一度気になりだすと気になってしょうがない性質がありますから、やはりDr35でなく、Dr40にしようかなあと思っています。お値段はかなり違ってくるのですが、長く安心してアトリエを運営していくことを考えると、性能は少しでも高い方がいいでしょう。