日本の歴史的音楽の重要な発信地として花街の存在があります。京都の上七軒、祇園甲部、先斗町(ぼんとちょう)、祇園東、宮川町の五花街はよく知られており、この五花街に嶋原を加えて、京の六花街と言うこともあります。近年外国人観光客の注目を一層集めつつあり、単なる物珍しさを超えて、今や世界的な文化発信地です。花街で働く人たちも、その国際性を意識しながら日々の仕事に臨んでいるそうです。花街は京都ばかりでなく北海道から九州まで日本中にあり、態様は様々ですが、今日の話は京の花街文化を中心に紹介します。
芸妓としてひとり立ちする前の修業時代の人たちを舞妓さんと言います。舞妓さんは「置屋」と言われる場所で暮らしながら5、6年間にわたり、芸と茶道と行儀作法を学びますが、学ぶ芸の内容は多岐にわたり、舞踊、三味線、小鼓、篠笛、能管、お囃子、長唄、浄瑠璃、清元、小唄などです。日本の歴史的音楽体系をこれほど広範囲に体系的かつ組織的に学ぶ教育システムがあるというのは、日本音楽の未来に大きな影響力があることと思われます。
舞妓としての修業時代が終わると一人前の「芸妓」になり、舞妓時代に学んだ芸を日々のお座敷で一層洗練させていくことなりますが、芸妓になるとそれぞれの適性に応じ、舞踊を専門とする立方(たちかた)と楽器や唄を専門とする地方(じかた)に分化していきます。お座敷で華やかなのは舞踊の立方ですが、年季才能経験が必要でなかなかなれないのが楽器と唄を専門とする地方です。立方を経験してから地方になる人もあり、そのようなときのお囃子は、立方の気持ちがよくわかるので、とても舞いやすいのだそうです。
花街の運営システムは、芸者が所属する「置屋」と、お座敷の場所貸しをする「待合茶屋」と、料理を提供する「料理屋」の「三業」の間で、その日の必要に応じて人と料理が移動する、という形でとり行われるのが基本形です。
さて、京の花街の様子がよくわかる動画がこちらです。
こちらのサイトが説明としてわかりやすいです。☟
https://www.ookinizaidan.com/kagai/geiko/