一本のウクレレを作る間には、いろんなアイデアがわいてきます。アイデアの集大成のようにして一本のウクレレが形作られていきます。さらにアイデアが重なって、次のウクレレにもつながっていきます。思い返してみると、そんな様々なアイデアはあちこちからいろんな形で湧き出してくるようです。
ウクレレを作る工程に沿ってごく自然に流れ出してくることもあれば、ウクレレ作りと離れた普段の生活の中で見たり聞いたりした何かに突然触発されて出てくることもあります。ぼんやりしているときにふと舞い降りてくる感じのこともあれば、人と話している言葉の先に浮かんで見えてくることもあります。材木を眺めていて材木の組み合わせの遊びとして思いつくこともあれば、失敗したと思ってがっかりしていたら思いがけなくおもしろいものになることもあります。うまくいかなかった何かを工夫しているうちに予想を超えるブレークスルーとして飛び出してくることもあります。
一十舎のウクレレ作りはいつもそんなふうで、結局、いろんな形で湧いてくるアイデアに乗っかる遊びのような感じです。こんなふうですから一十舎のウクレレに定型の型番を作ることはできそうもありません。型番として固定化されたとたんに遊びは終了してしまうように思えるからです。また注文生産という形もできそうにありません。注文通りにやろうとしたり納期を気にするようになったらやはり遊びの終わりに思えるからです。
遊びであれば、一十舎のウクレレ作りはあちこちから降ってくるアイデアの自由な展開です。それは要するに楽しいウクレレ作りです。楽しさの結晶のようにウクレレを作りたいと思っています。
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