ウクレレやギターで使う響板は、合板より単板の方が高級なものと考えられています。
上の写真は、薄板を横に2枚並べて張り合わせてありますが、これは張り合わせてあっても単板です。
合板とは次の写真のように、薄板を積み重ねる形で張り合わせたものです。
楽器の響板としては、横に並べて張り合わせなら単板で高級材、積み重ねなら合板で安価材とされるのはなぜかというと、積み重ねて張ってしまうと、その木が持つ固有振動率を邪魔してしまい、木そのものの響きを消してしまうからだと思われます。
板を積み重ねることで生まれる新たな固有振動率もあるわけで、積み重ねる複数の種類の板の長所がみんな合わさるような新たな振動が生まれるならいいいのですが、どうもそういうことにはあまりならないようで、むしろ長所を消し合ってしまうことが多いようです。
横に並べて張り合わせた場合は、元々の板の響きが打ち消されることはなく、元の響きがそのまま残るので、複数の板を張り合わせてあっても単板として高級材として扱われるのだろうと思います。
たとえば下のウクレレの音。トップ材にマホガニーと姫小松を横に並べて張り合わせて作ってあるのですが、積み重ねではなく板を横に並べて張り合わせてあるので、マホガニーの響きと姫小松の響きが両方残って、互いの個性を打ち消し合うことなく、コーヒーのブレンドのような味わいになりました。これは合板でなく、単板のブレンドという言い方ができるだろうと思います。
注・単板の方がよいというのは、あくまで楽器の響板としてのはなしです。合板には安定した板の品質を確保するなど多くの長所がありますので、家具や建材なと用途によっては、合板の方が高い性能を発揮することはあるので、合板がよくないということではありません。