この丸ノコ盤が実によく使えるやつで、材木を短時間に裁断するのに絶大な威力を発揮します。轟音とともに丸い刃が回転して、大きな材木を次々に正確に切り分けていきます。
でも、緊張感が高い機械でもあります。ちょっとでも間違いがあれば、大けがのもとですから、一瞬の気のゆるみも許されません。最大級の緊張感を維持しながら刃の回転に意識を払い続けます。
そんな丸ノコ盤について、「丸ノコ盤あるある」的な話なんですが、木工仲間からこんな話を聞くことがあります。
「材木を丸ノコ盤で一日中切ったら、翌朝吐き気と頭痛で起きれなくなった。緊張感に加えて高速回転を見続けて三半規管がおかしくなるのかもしれない」
「回転する丸ノコを見て作業していると、ちょっと刃に触っても大丈夫かな、みたいな気分になって手を出しそうになる。そんなときは、あわててノーノーノーと自分に言い聞かせる」
「丸ノコ盤で作業をしているとき、体じゅうが硬直して、スイッチを切ると、どっと疲れが出る」
「丸ノコ盤の作業が終わると、指や手がまだ体に付いていてよかったと思う」
とまあ、こんな感じです。
丸ノコ盤作業の感覚をたとえて言えば、駅のホームの際に立って電車が通過するのを待つような感じでしょうか。何重にも安全対策をして原則的には安全なのですが、一瞬の気のゆるみも許されないというところが、やはり特別な緊張感があるところです。