あれこれいろいろ

Cosmic music

昨日は、歩く、跳ぶ、走るなど、大地(重力)と体との関係性がリズム感と関係が深いようなので、宇宙空間で暮らすとリズム感が薄れるかも、ということを書きましたが、ではメロディはどうでしょう。音程は空気の振動数で決まりますから、空気がない宇宙空間ではそもそもメロディは生まれないかも(仮に人間が生きてるとして)とも思われますが、宇宙空間でも音楽はありえるかもという動画をひとつご紹介。アポロ10号の宇宙飛行士が月の裏側で聞いた音楽で、そのときの乗組員の会話も興味深いので、翻訳と共に宇宙の音楽に思いをはせてみてください。

「この音楽は外宇宙からの音だよな」

「聞いたか? 口笛みたいな音?」

「Wooooo」

この音は一時間ほど続いた。

「静かになった」

「信じられない……」

「報告したほうがいいのか?」

「分からない、これについて考えなければ」

アポロ10号のクルーが聴いたものと似た音を、1997年に打ち上げられた土星探査機カッシーニが受信し、それは土星の磁気環境により引き起こされたものであることがわかっているそうですが、アポロ10号が音を受信した月の裏では大気や磁界がないためカッシーニと同じ現象とは考えられず、無線関係の専門家は、2機の宇宙船が使用している無線同士の干渉かもしれないと言っているとのことです。

というわけで、メロディは空気のない宇宙空間でも磁気や電波の変動として生まれる可能性はありそうです。人間がそれを聞くには空気の振動に変換されないといけないわけですが、概念的には空気がなくても磁気や電気の変動そのものがメロディ的な現象として観察されることはありえそうです。

仮に真空に生存する宇宙人がいるとしたら、電磁波や電気の変動で音楽を作るかもしれません。それを音楽と定義するか、絵画と定義するか、建築と定義するか、文学と定義するかは、宇宙人の感覚器官の構造と解釈体系に依存するので何とも言えませんが。

逆に地球の音楽を宇宙人が音楽として聴くかというと、空気振動を人間とほぼ同じ周波数帯でキャッチする感覚器官を備えて、それを解釈する脳構造を持ち、それを美しいと感じる価値体系がないといけないので、美しいものとしてはキャッチしてはくれないかもしれません。もしかして地球の音楽をはじめて受信した宇宙人はこんな会話をするのでしょうか。

「おい、これはこの惑星表層部からの音だよな」

「聞いたか? 〇〇みたいな音?」

「Vooooo」

「静かになった」

「信じられない……」

「報告したほうがいいのか?」

「分からない、これについて考えなければ」