あれこれいろいろ

アズマリというエチオピアの吟遊詩人 日本の中世の芸能者が今そこにいるかのような…

アフリカのエチオピアには、アズマリ(azmari)と呼ばれる吟遊詩人がいます。アズマリはマシンコ(Masenqo)という1弦の弓奏楽器を演奏しながら歌い踊り、酒場、結婚式、祝祭などを回ってチップを稼ぎ、伝統的な精霊憑依儀礼に参加することもあれば、農村の収穫の作業音楽を奏でることもあります。

アズマリは、エチオピア社会の祝祭の場に欠かせない存在でありながら、都市における侮蔑の対象でもあり、そんな相反する二義性が平安時代以降の日本の賎民芸能者とよく似ています。農村出身で農村とつながりながらも、都市で差別されながら芸能や神事で稼がざるを得ないという境遇や、祝福芸を得意とするところなど、アズマリの話を読んでいると、日本の平安時代の賎民芸能者が古い文献や絵から出てきて今エチオピアに息づいているかのように思えてきます。

まずはアズマリの動画をどうぞ。

一弦の弓奏楽器マシンコとはこんな楽器です。

次回はアズマリの祝福芸について書きたいと思います。

 

 

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