あれこれいろいろ

赤身と白太

冒頭の写真は、南極で掘り出されたナウマンゾウの肉のかたまりです。ゾウの皮の質感がリアルですね。氷漬けなので保存状態がいいのです。

というのは真っ赤なウソで、これはマホガニーの木のブロックです。(*´ω`)

昨日、このブロックをスライスして薄板を作る作業をしていたんですが、ふと、肉っぽいなあと思ったんです。

なんで肉っぽいのかと考えたら、中心が赤身で、皮の付近が白っぽいから肉っぽいんだと気が付きました。

一本の木は全体に均質というわけではなく、中の赤いところと、外側の白いところにわかれているものが多いんです。赤いところを赤身と言い、白いところを白太(しらた)と言います。

白太は、今まさに成長している部分です。だから水分が多くて、栄養素をたくさん含んでいます。その結果、虫に食われやすい、腐りやすいという特徴があります。建築などでは杉の白太なども普通に使っているように、強度が大きく落ちるわけではありません。家具でも、テーブルの天板などに白太をわざと入れて、印象的な視覚効果を作ったりもします。

これに対して、赤身はもう成長が終わった部分です。水分も少なくなり、密な組織になってます。腐りにくく、虫にも食われにくく、耐久性があります。白太に比べれば強度も高いと言ってよいでしょう。ただし、赤身でも木の中心部分は強度が強いとは言えません。中心は、木が育ち始めた最初の10数年ころまでにできた部分なので、安定しない未成熟な性質が残っているのです。でも全体としては安定しているので、赤身だけの板は一般に高価になります。

日本では、赤身と白太がまざった板のことを「源平」とよぶそうです。源氏と平家が赤白に別れて戦ったことが由来だそうです。してみると、運動会で「赤勝て、白勝て」と日本中の子供たちがやっているのは、いまだに源平合戦を全国展開でやってるんですね。源氏と平家の怨念でしょうか。秋の風物詩の運動会って、実はホラーな話だったんですね(>_<)。平家の鎮静化は琵琶法師の琵琶が定番ですが、一十舎のウクレレは源平どちらにも対応しておりますので安心してお使いいただけます(?_?)。

さて、怨念の話はさておき、冒頭の写真のマホガニーのブロックからウクレレの板を取るわけですが、赤身だけで板を取るのが普通です。でも、白太を入れてみたいという気分も結構あります。茶色のボディに白がさっと入るデザイン性を試してみたくなります。(#^^#)

市販のマホガニーのウクレレで、白太を入れたものは見たことがありませんが、マホガニーの丸太の周囲を切って角材にする過程で、自動的に白太の多くは落ちてしまうでしょうから、白太をあえて入れる方がめんどうかもしれませんね。

ウクレレは遊び心がかたまってできた楽器です。だから普通はあまりやらないことをやってみたい遊び心が私の中にはいつもあります。