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尋常小学唱歌1 題名もしらない音楽会

ウクレレやギターの初心者教本には文部省唱歌が出てくることがありますね。

多くの人が聞いたことがあるメロディにシンプルなコード、初心者も入りやすく、演奏の満足感も結構ある、人に演奏を披露するのに丁度よく、みんなで歌うこともできる、そんな音楽の便利さがあります。

文部省唱歌の中心は「尋常小学唱歌」ですが、1911年(明治44年)から1914年(大正3年)までの間に、1学年20曲として6学年分全120曲が整備されました。1879年(明治12年)に西洋音楽を調べるために「音楽取調掛」が文部省に設置されてから30余年の試行錯誤の末に、明治政府が生み出した唱歌教育の聖典です。明治は45年までですから、明治という時代全体の集大成が盛り込まれているとも言えます。

そんな尋常小学唱歌全曲の題名がこちら。(1937年に新訂尋常小学唱歌が出るまで)

第一学年
日の丸の旗、鳩、おきやがりこぼし、人形、ひよこ、かたつむり、牛若丸、夕立、桃太郎、朝顔、池の鯉、親の恩、烏、菊の花、月、木の葉、兎、紙鳶の歌、犬、花咲爺

第二学年
桜、二宮金次郎、よく学びよく遊べ、雲雀、小馬、田植、雨、蝉、蛙と蜘蛛、浦島太郎、案山子、富士山、仁田四郎、紅葉、天皇陛下、時計の歌、雪、梅に鴬、母の心、那須与一

第三学年
春が来た、かがやく光、茶摘、青葉、友だち、汽車、虹、虫のこゑ、村祭、鵯越、日本の国、雁、取入れ、豊臣秀吉、皇后陛下、冬の夜、川中島、おもひやり、港、かぞへ歌

第四学年
春の小川、桜井のわかれ、ゐなかの四季、靖国神社、蚕、藤の花、曽我兄弟、家の紋
、雲、漁船、何事も精神、広瀬中佐、たけがり、霜、八幡太郎、村の鍛冶屋、雪合戦
、近江八景、つとめてやまず、橘中佐、

第五学年
(みがかずば)、(金剛石・水は器)、八岐の大蛇、舞へや歌へや、鯉のぼり、運動会の歌、加藤清正、海、納涼、忍耐、鳥と花、菅公、三才女、日光山、冬景色、入営を送る
、水師営の会見、斎藤実盛、朝の歌、大塔宮、卒業生を送る歌

第六学年
明治天皇御製、児島高徳、朧月夜、我は海の子、故郷、出征兵士、蓮池、燈台、秋、開校記念日、同胞すべて六千万、四季の雨、日本海海戰、鎌倉、新年、国産の歌、夜の梅、天照大神、卒業の歌

鳩、桃太郎、冬景色、海、春の小川、我は海の子、故郷など、おなじみの懐かしい曲がたくさんありますが、題名を聴いたこともない曲もたくさんあります。

こんなとき、誰にも注目されなくなった、題名を聞いたこともない曲のことが妙に気になるのが私のサガなので、さっそくいくつか聞いてみました。

「題名のない音楽会」ならぬ、「題名も知らない音楽会(文部省唱歌編)」。

いろいろ聞いてみたら、考えさせられることがいっぱいありました。

つづく

 

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