あれこれいろいろ

材木の空隙(くうげき)

木というのは、写真のとおり、隙間だらけです。この隙間を空隙(くうげき)と言います。

昨日、気乾比重の話で、最も軽い木はバルサと書きましたが、バルサはなんと木の9割は空隙です。桐は8割が空隙です。もうスッカスカで、向こうが透けて見えないのが不思議なくらいです。レースのカーテンだってもっと目が詰まってるんじゃないかと言いたくなります。

昨日世界で最も重い木はリグナムバイタと書きましたが、これでも空隙は4割に達します。

パロサントも気乾比重はリグナムバイタに近かったですから、空隙は5割前後くらいかもしれません。

この木の空隙部分には、生木では水分が入っているわけですが、製品にするときには乾燥させますから、そこは空洞になります。この空洞の多寡が、ウクレレの音響にどういう効果があるのかということが私は気になるのですが、結論はよくわかりません。

ただ経験的には、空隙が多すぎると、張りのないぼやけた音になるような気します。逆に、空隙が少ないと、硬い音になる気がします。

一十舎が好んで使用するパロサントは、油分がとても多い木です。その油分がいい香りの元であるわけですが、空隙から水分が蒸発しても、パロサントでは空隙の中に油分が多く残っているのではないかと思うのです。この空隙に油分が残存しているということが、パロサントのハープのような独特な音色を作るのにかなりの役割を担っているのではないかなどとつらつら考えたりしています。

 

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