スペイン北東部のアラゴン地方に4弦又は5弦の小型ギターである、ギタリコ・アラゴネスがあります。ポルトガルのカヴァキーニョに外見が非常によく似ています。ギタリコ・アラゴネスの動画は検索すると結構見つかるのですが、まとまった歴史的説明がスペイン語で検索してもほとんど出てきません。
アラゴンのJotaのダンス伴奏に使うと書いているスペイン語のサイトがあり、スペインのギタリコ販売店の説明文には「ギタリコは小型のギターに似た楽器で、大きさや調弦が異なる。ラ・マンチャ、ムルシア、アラゴン、バレンシアのギタロスが代表的」と書かれています。
あまり注目されない地域楽器ですが、私の興味を強くそそります。ルネサンスギターとウクレレとの間をつなぐ位置にありそうに思うからです。
まずは音と奏法をご覧ください。↓
調弦の動画↓
4弦バージョンは1弦から順に e c♯ a d
5弦バージョンは1弦から順に a e c g d 又は b f♯ d a e
この5弦のdaecgの合わせ方は、ポルトガル領マデイラ島の5弦ギターのラジャン(rajao)と全く同じ調弦なのも注目点です。
スペインの伝統小型ギターの表記には、 guitarrico.ギタリコという言い方のほかに、guitarrón, guitarro, guitarróなどの記載もあるようで、それらが同じ楽器を指すのか、重なりつつ微妙に違うのか、地域性で呼び方がちがうのか、などどうも全体像がはっきりしないところがあります。
ということでまた明日へ。