ウクレレ豆話

三線とウクレレ  

下の2つのおとぎ話をとりあえず読んでみてください。(^.^)

おとぎばなし1 「不思議な穴」

あるところに 音太郎という若者がおりました。音太郎は地球の内側の音を聞きたいと思って、放浪の旅に出ました。ある日、地面に大きな穴が開いているところにやってきました。「オー、素敵な穴だ!」、そう思ってのぞきこむと、その穴からは、わーんと大きな音がたえまなく湧き出ていて、音太郎はとうとう地球の内側の音を聞くことができました。めでたしめでたし。

 

おとぎ話2 「不思議な棒」

あるところに 音姫という姫がおりました。音姫は地球の内部の音を聞きたいと思って、放浪の旅に出ました。ある日、地面から大きな棒が突き出ているところにやってきました。「まあ、素敵な棒!」そう思って近づくと、その棒からは、わーんと大きな音がたえまなく響き出ていて、音姫はとうとう地球の内側の音を聞くことができました。めでたしめでたし。

 

さてこのふたつの話、音が湧き出る穴音が響き出る棒と、どっちが自然ですかね。もしかしてどっちも不自然ですか?( 一一)

実は音が出てくるシステムとしては、どっちもありなんです。

音が湧き出る穴のシステムを採用した楽器はたくさんあります。

ウクレレ、ギター、バイオリン、チェロ、琵琶、マンドリンなどなど。楽器内部の空洞で増幅した音波をサウンドホールから取り出します。

では、音が響き出る棒のシステムを採用した楽器はあるでしょうか。

あるんです。( `ー´)ノ

三線三味線です。

ウクレレやギターと同じ弦楽器で同じ仲間に見えますが、音を取り出すシステムはかなり異なります。

この写真は沖縄の三線ですが、なんと穴がないですね!

そしてネックに相当する棒のところ、と言いますが、これが黒光りしてやたらに長いです。この棹の下の端はこうなっているんです。

三線の胴の中を棒が貫通して、三線の下側に飛び出します。ウクレレやギターやバイオリンはネックが胴の中を貫通してはいません。胴の上端とネックの下端でくっつくだけです。いろんなジョイント方法がありますが、たとえばギターの一例で言えば下の写真のような形です。

三線や三味線では、胴を蛇の皮や猫の皮などで覆って完全に密封して音の振動を中に閉じ込めます。そしてその密閉空間の中に棒を一本貫通させて、その棒を通して音を外に取り出すのです。

三線では、棹の先からも音が出ると言われるくらいです。だから三線では、棹の材質にこだわります。棹の材質で値段が月とすっぽんになります。実際、棹の材質が変わると、音が全くちがってくるそうです。最高の棹は、八重山黒木という黒くて固い木のもので、緻密で固くて重い木です。胴の内部の音波を最高に効率よく取り出すには、そういう緻密な材質がいいのでしょうね。八重山黒木は棹一本を作る太さに育つまでに200年くらいかかるらしいですから、値が張るのもしかたありません。

というわけで、音太郎の穴システム音姫の棒システムという、不思議な不思議なお話でした。(^^)/

ではこのへんで。

めでたしめでたし。(^^)/