冒頭の写真の長方形の部位がブリッジ(bridge)です。ブリッジの中の細長く白いものがサドル(saddle)です。
ブリッジとは橋の意味です。弦とボディをつないで橋渡しをする部位だから、ブリッジというのでしょうね。
サドルとは、鞍ですね。自転車のお尻を載せるところもサドルと言います。弦の末端のお尻を載せる部位だからサドルというのでしょうね。
ウクレレを演奏すると、その弦振動は…
サドル→ブリッジ→トップ→内部の空気
という順に伝わって音になります。ですから、ブリッジもサドルも、弦振動を伝えるためになくてはならない重要な部位です。
ウクレレが完成して、弦を張って弾いてみたら、音がぼやけて、こもって、響かないことがありました。今までこんなに響かないウクレレを作ったことはないというくらい響かないんです。
ウクレレが完成して最初に弦を張るときは、わくわくしてどきどきする瞬間ですから、いい音が出ないと、がっかりします。どうしてこんなに響かないんだろうと、出来立てのウクレレをあちこち見直してみるのですが、これと言って原因が見あたりませんでした。
最後に弦を全部外して、ブリッジからサドルを引き上げて外してみたんです。こんなふうに。
そしてサドルが入っていた溝をのぞきこんでみてわかりました。
サドルをはめこんでいた溝の底に接着剤が飛んで、小さなかたまりをつくっていたんです。それが邪魔になって、サドルの底がブリッジに密着することができなかったのです。接着剤の塊はとても小さなものでしたが、いかに小さくとも、サドルがブリッジに密着できなければ、サドルはそこにないも同然です。弦の振動はサドル下部で遮断されて、ブリッジにもトップにも空気にも伝わっていなかったわけです。(正確に言うと、溝の横壁にはサドルは接触しているので、ある程度振動は伝わっていますが、伝達レベルは大きく落ちていたのだと思います)。これではまともな音が鳴らなかったのは当然でした。
その接着剤の塊を細いノミを突っ込んで欠き取りました。すると…
いい音(^^♪。
ほっと胸を撫でおろしました。長い時間をかけて作ったウクレレがいい音で鳴ると、ほっとします(*‘∀‘)。
というわけで、音がいまひとつ響かないなあというときは、サドルの底の溝にごみが入ってないかどうか、サドルを外して一度点検してみてもいいですね。
簡単なことですが、サドルの底のごみというのは、見過ごしやすい盲点のひとつだと思います。
(*^^)v