さてさて、昨日の続きです(^^)/。上の写真はヤマハのウクレレでなく、私が製作中のウクレレのものなのでお間違えなく。
5番まで書いたので、今日は6番からですね。(^.^)
6 穴の大きさ
ヤマハの新発売ウクレレSTコンサートは、上の写真で見る限り、サウンドホールの穴が大きく見えます。それもかなり大きく見えます。指板の幅をかなりはみ出す大きさです。
この穴の役割は、内部で共鳴して増幅された音波を外に向けて出力することです。
穴の大きさと音との関係はどうなっているかというと、穴が小さいと音は小さめになり、穴が大きいと音は大きめになります。
これが完全な比例関係にあるのか、穴の大きさが一定レベルに達すると今度は減衰に転じるのかなどの詳細なことは、データがないのでわかりません。ただ、穴が大きくなりすぎれば、弦の振動を拾うトップ板の面積が減っていくので、どこかに限界ラインはあるでしょう。大きければいいというものでもないでしょう。
なにはともあれ、ヤマハSTコンサートは、写真で見る限りは穴がとても大きいです。それはやはり、内部の共鳴音波を沢山出力しようという設計なのだと思います。ウクレレをソプラノサイズなみに小さくしても、コンサートサイズなみの音を確保しようという意図がここにも見えます。
ちなみに、下の写真は琵琶です。
STコンサートになんだか似てて面白いですね。弦の数も同じ四本ですし(^.^)。
この琵琶のサウンドホールを見てください。黒目がぼちぼちっとついてるようなのがサウンドホールです。三日月形の目ですね。二つ合わせてもとても小さいです。なんで琵琶はこんなに穴が小さいんでしょう。(‘_’)
おそらく奏法との関係かなと思います。
写真の隅に写っていますが、固いバチを右手にもって、叩きつけるようにバチンバチンと弦を弾きます。この段階でとても強い音を出します。この強い音からすると、この程度の穴の大きさの出力がちょうどいいのかもしれません。
また、琵琶というのは、弦楽器なのに奏法は打楽器的なんです。雅楽の中では、琵琶はリズム楽器の役割を担っているそうで、バチンバチンと叩く音で、琴や笛などの楽器奏者にタイミングを知らせる役割を担うそうです。琵琶法師が平家物語を語るときも、語りの間を取るために琵琶が弾かれます。メロディを奏でる楽器というよりも、タイミング楽器なんですね。こういうところからも、小さな穴からの出力がちょうどいいのだと思います。
ウクレレは、指の腹や爪で弾きます。弦を弾く力が弱いです。そこから繊細なメロディを出力しようとします。するとやはり、サウンドホールを大きくすることで、音波をたくさん出力する必要が高くなって、ある程度の大きさの穴が必要なわけです。
最近のウクレレ開発は、女性をターゲットにしている向きがありそうで、STコンサートのような小型化の設計の中にはそういう趣旨が入っているような気がします。女性の指の弱い弾き方でも大きな音を出力できる…STコンサートの大きなサウンドホールには、そんな発想も含まれているのかもしれません。
では、本日はこんのへんで。(^^)/
あまり長く書いてると、ウクレレを作る時間が減りますのでね、またあしたに続きます。(^^♪
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