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音波 進行波と定常波 弦楽器で生まれる波

音波の話の続きですが、

波には進行波と定常波(定在波)があります。

進行波とはある方向に進んでいくように見える波で、定常波とは波が移動せずその場で上下を繰り返す波です。

このふたつのイメージを知るのにこちらのサイトがとてもわかりやすいです。↓

進行波と定常波

海岸の波など進行してくる波を目にすることが多いですが、波長・周期(振動数または周波数)・振幅・速さ(速度の絶対値)が同じで進行方向が互いに逆向きの2つの波が重なり合うと定常波ができます。対向する進行波がふたつ重なって定常波になると振幅の幅が2倍になり、音波の場合は音が大きくなります。

ギター・ウクレレでは定常波が観察されます。

まずひとつは弦の振動自体。ギターの弦は両端が固定されているので、両端からの振動が重なって、両端を節とする定常波がおき、弦の振動が増幅されます。

もうひとつはボディの内側。弦の振動がボディに伝達されると、ボディ内の空気に振動が伝わり、内部で反射して重なり定常波となります。反射は何度も繰り返し増幅されてボディ全体が共鳴箱となります。このとき波長の条件を満たさないランダムな様々な波は増幅されることなく、互いに打ち消しあったりしてほとんど音に寄与しません。波長の条件が満たされた波だけが増幅されて、楽器から発せられる音になります。楽器から外に放出された音は進行波となって耳に届きます。進行波になっても振幅の大きさは変わらないので、増幅された音が耳に届くことになります。

定常波を簡単に観察できるのが噴水魚洗(魚洗盆)です。2つの取っ手がついた銅盆で、水を入れて取っ手を両方の手のひらでこすり続けると、銅鍋はブンブンという音を発して水が振動を始め、やがて水面から水しぶきが噴き上がります。熟練者となると水しぶきの高さは1m近くにも達するとか。両方の取っ手から生まれた振動が水に伝わり重なって定常波となって、振幅が増幅され水が吹きあがるのです。↓