ウクレレの魅力

ウクレレの音は小さい

ウクレレの音は小さいです。

むかし、サックスを借りてマンションの部屋で吹いてみたとき、最初のひとふきの音圧がすごくて、まるで爆弾のよう。マンションで吹くのはムリと一瞬でわかりました。

トランペットを吹いてみたときは、迷惑にならないようわざわざ防音室を借りにでかけて、窓のない箱で吹いているのは、奇妙な感じでした。

中古の小さな防音室を入手し、オカリナを吹いてたら、小さな部屋の中で耳がキンキン痛くなりました。

中国のひょうたん笛というのを吹いていたとき、金属のリードが大きな音でびょろろーとふしぎな音に鳴り、「また隣のおじさんが変な音を出してる」と言われてるようでした。

沖縄の三線を弾いていたときも…、

コカリナという木製の笛を吹いていたときも…、

ティンホイッスルというアイルランドの金属の笛を吹いていたときも…、

アコギの練習をしていたときも…、

子供がピアノを練習していたときも…

いつも心の隅で、その場の穏やかさをはみ出てしまう大きな音に戸惑っていたような気がします。

 

そして初めにもどって、ウクレレです。

音が小さい!

それなのに、豊かな音色。

深みがあって、

静かで明るい。

ウクレレを室内で弾いているとき、私に戸惑いはありません。

楽器は大きく鳴るのが優れているという考えは、絶対的な指標ではないように思えます。大ホールやコンサート会場や発表会の舞台で、遠くの聴衆にもきちんと音を届けるというスタイルの中で、その発想が強化され、楽器も大きく鳴る方向に進化してきたのかもしれません。

自分が聞いて音の余韻にひたるには、小さめの音の方が向いています。

親しい仲間とくつろぐ中で、居間で弾く、囲炉裏端で弾く、自分の家のテラスで弾く、そんなとき、ちょうどいい音の大きさがあります。

自分と親しい仲間のための楽器というものを考えたとき、音が適度に小さいのは、むしろとてもふさわしいようです。

ハワイという、小さな穏やかな文明にポルトガルから弦楽器がもたらされ、ウクレレという楽器が小さなままに残ったのは、ありがたいことでした。

ウクレレは、自分や仲間のもとに、音楽を穏やかに届けてくれます。

小さなやさしい音で。

小さなやさしい音だから。(*´ω`*)

 

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