ウクレレの魅力

帆船と樽職人とギター

大航海時代の帆船には食糧や飲料の樽が大量に積載され、その材料として使用されている板(ホワイトオーク)がギターのネックやサイドの材とするのに丁度良いサイズの乾燥材で、長期航海中や渡航先で船員が自分でギターを作ったりしたかも、という話を前に書きました。(円周77インチほどの酒樽の周囲に22から30枚の側板をめぐらせて50ガロンの酒樽を作ると側板1枚の幅は6.5~8.9センチくらいになる)

↓ 模型の船底にも樽が沢山!

その続きですが、当時の船には木工技術者として大工と樽職人が乗っていたという話です。当時の船は修理を繰り返しながら航行したので、船大工は重要な役割でした。また樽職人の仕事も大切で、船内のネズミが水や食料を求めて樽をかじりまくるので、樽を食い破られて水やワインが漏れ出したり、食糧が腐ったり病原菌に侵されたりしないように、樽の修理をする樽職人の仕事は長期航海の継続に重要でした。(「大航海時代」 森村宗冬著 より)

このような木工技術者の存在は、船内にギターを作る材料があったばかりでなく、ギターを作ったり修理したりできる人材もいたということを意味するわけで、特に熱と水で板を曲げる技術も持っていた樽職人にとっては、ギターの製作や修理はさほど難しいことではなかったように思われます。

というわけで、ギターの世界的拡散には、このような船内の木工技術者の存在もひとつのファクターになり得るのかも、というのが今日のお話でした。

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