あれこれいろいろ

throat singing 狩猟採集民族の歌はこんな歌声になるのかも説

前回イヌイットやアイヌのthroat singingを書きましたが、どうしてあのような発声法が生まれたのかという謎にについて…

イヌイットもアイヌも非常に古くからの狩猟採集民族ですが、狩猟採集民族として動植物や自然現象を崇める信仰が生まれると、動物の鳴き声や風や水の音を模倣して自然霊に語り掛けるという文化が生まれのではないでしょうか。そして、自然音に近づけるために声帯以外を使って音を出すという工夫が凝らされる結果として、このような特殊な喉の使い方の発声法に行き着く、というのが私の考えた仮説なんですがいかがでしょう。

下の動画はシベリアのサハ共和国の先住民の女性が自然と会話するときの発声です。やはり非常に特殊な発声で動物の鳴き声などを再現しています。

次の動画はアイヌの鶴の舞で、鶴の声の模倣が見られます。動物の声の模倣という文化があることがわかります。↓

現代ではこのような特殊な発声法による歌い方は珍しいものですが、農耕文明が現れる以前の狩猟文明の時代にさかのぼると、このような歌声は普通であったかもしれません。

そのように考えると、このような歌い方は人類の歴史の最初期(数千年から一万年以前)の記憶につながるものとして、想像以上に貴重な文化遺産かもしれないと思うのです。