あれこれいろいろ

スチールギターの進化

ハワイでスチールギターの奏法が生まれ、そのハワイアンミュージックが1910年ころ大ヒットすると、スチールギターの進化が始まりました。いったん進化スイッチが入ると、楽器はあれよあれよと変化するようです。

膝の上にギターを水平に寝かせて弾く形は、ラップスチールギター(iapとは膝の意味)と呼ばれましたが、1932年、スチールギタリストであったジョージ・ビーチャムが、スチールギターにピックアップを装着したフライング・パンというギターを開発して発売します。↓

電気増幅によってもはや共鳴胴は必要なくなり、どんな形でも(長方形のブロックでも)製造できるようになり、こんな形のエレクトリックラップスチールギターが普及します。↓

スチールギターはオープンチューニングを元にしているのでキーを変更できないため、異なるチューニングの複数のネックを装備したダブルネックラップスチールギターが生まれます。↓

1940年代、特定の弦のピッチをペダルで操作できるペダル式スチールギターが生まれます。弦の数も増えて、全部で20弦又はそれ以上になりました。こういう脚をもつタイプをコンソールスチールとも呼びます↓

これらのように電気的に音を増幅する以前に、アコースティックな仕組みで音を増幅するスチールギターとして、レゾネーターというアルミニウムコーンを付けたタイプのスチールギターも生まれています。これの開発にも、前記のビーチャムがかんでいます。↓

スチールギターの響きは、商業的な成功に導かれて、音の増幅の方向にどんどん進んだようです。スチールを使って生まれる音質自体、電気的増幅や金属的増幅にマッチしていた面もあるでしょう。

ハワイ起源のスラックキーギターとスチールギターはどんどん変化を遂げて、様々な音楽に融合していきます。それはまた次回。

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