あれこれいろいろ

太鼓がないサモアでは体をバチバチ叩きまくるという話

ポリネシアの起点となったサモアには大きな太鼓がなかったそうです。フルーツ・バットというコウモリの手と胴体の間の膜を使った小さな太鼓はあったらしいのですが、ほかに太鼓の皮になりそうな大きな動物がいなかったのだとか。(現在は西洋起源の太鼓はある)

で、そのせいかどうかわかりませんが、自分の体を叩きまくるというサモアのダンスがおもしろいのです。踊り手が、身体打奏の演奏者にもなります。↓

こんなにバチバチやったら手が赤く腫れると思うのですが、戦士たるもの痛いなんて口が裂けても言わないのでしょう。「日本の太鼓、アジアの太鼓 山本宏子著」によると、サモアの身体打奏には、①両手を打つ、②手で体を打つ、③手又は足で床を打つの三つがあり、非常に多様な技法とリズムバターンがあるそうです。

ニュージーランド、マルケサス、ハワイなどのダンスにも、程度は差はあれ、手や体を叩くという要素はあるようで、これはサモア由来なのかもしれません。

ポリネシア移動論仮説では、サモアからマルケサス諸島に人が渡り、そこからハワイやタヒチやニュージーランドなどに拡散したという順番なのですが、マルケサス諸島には現在16種類の膜鳴太鼓があります。タヒチにも太鼓はあります。サモアに太鼓がなかったとすると、マルケサスやタヒチの太鼓はどこから生まれて来たのかという疑問がわきますが、ちょっとわかりません。西洋起源の太鼓の土着化なのでしょうか?

マルケサスの太鼓演奏↓

 

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