ルンバの起源はコンゴの「ンクンバ(Nkumba)」にあると言われていることを前々回に書きました。コンゴの「ンクンバ」の動画として出てくるのがこちら。
これが奴隷貿易でキューバに渡り、休日、誕生日、パーティなどで踊られ、やがてアフリカのリズム(ボーカルとコーラスのコール&レスポンスにパーカッション)とスペインのスタイル(十行詩)が結合して、キューバのルンバとなっていきます。
ルンバにはテンポが早い順に、男性主体のダンス音楽コルンビア(Columbia)、男女ペアで踊られるワワンコ又はグァグァンコー(Guaguancó)、祭りの前に歌われるヤンブー(Yambú)の3種類があります。
コルンビア☟
グァグァンコー☟
ヤンブー☟
このようなダンス音楽としてのルンバ(rumba)がキューバ・ルンバの原型なのですが、キューバにはソン(son)と言うキューバ音楽のジャンルがありサルサ、マンボ、チャチャチャなどにもなっていくのですが、このソンのヒット曲が欧米に紹介される際に、英語のsongと混同しないように、ルンバ(rhumba)として紹介されます。例えば、そのようなソンと代表曲としては次の南京豆瓜などがあります。
かくして、欧米ではキューバ音楽全体がルンバと呼ばれることになり、いつしかrumbaとrhumbaはいっしょくたになっていきます。
その後、1940年代以降、欧米の社交ダンスがキューバのダンスを独自の解釈で取り入れ、やがて競技ダンスとしてのルンバが生まれて、このようなダンスがルンバになります。☟
こうして、上に載せた動画が全部ルンバと呼ばれることになるのですが、変化がすごくないですか? まるで伝言ゲームのよう。はじまりからは想像もできないような別ものにどんどん変わっていくのですね。
そして今や、ルンバで検索して真っ先に出てくるものと言えば、これ(^^!

正確な継承を目的とする伝言ゲームならこの変化は間違いということになりますが、別に伝言ゲームではないのでこの変化はもちろん間違いではありません。短期的に見れば勘違いや誤解があったとしても、そんなあらゆる伝言ゲーム的なバグも全部創造性に取り込んでしまのが文化の仕組みなのでしょうか。そうなるともうバグはバグじゃないということになりそうです。